診察日2008年1月21日
診察の記録 2008/01/24 木
前日の夜に
私 「明日は、朝の10時30分頃に家を出るようにしたら、ちょうどええよ」
父 「うん、そうやな」
と話をしていたのですが、やはり20分程遅れてきました。
(慌てるよりはいいので、何も言わなかったのですが)
しかし、父は気になるようで
父 「この間も、遅れたから今日はどうしておそくなっているのか
考えてみたんやけど、どうも、念入りに何回も確認してしまってるみたいや」
私 「なるほど、前は1回だったところを今は2回、3回って確認してしまうんやな」
父 「うん、それとやっぱり動作も遅くなってるわ」
父がこんな風に考えるのは、病院の先生が言うように
自分の病気の事を、ある程度、理解できているからなのかなと思えてきました。
遅れてしまったことを気にして、その理由を考えようとしている父はエライです。
病院では、まず
父 「先生また、お時間あるときに読んでみてください」
と言って、最近の出来事などをメモした紙を先生に渡しました。
そしてその後、気になる事、報告したい事を先生に話し始めました。
(その1)
頭の中で、ビリビリと電流が波打って流れているような感じで
弱い痛みが、ずっと続いている
去年の夏頃から症状があったけど、以前からの耳鳴りがひどいので
あまり気にしてなかった
(その2)
最近、1人で店番をしている時などは、いつお客さんが来るかとビクビクしている
お客さんが来なければいいのにという気持ちが沸くこともある
新しいお客さんや、しばらく対応していないお客さんなどは怖くて避けてしまう
(お客さんに少し待ってもらってでも息子に任せる)
先 「お仕事をするのが、色々と大変になってきているんですね」
父 「はい、でも自分の為にやらなきゃいけないとも思うので・・・」
先 「自信がなくなってきているんですね
でも一味さんは、まだお仕事ができるからいいですよ!」
父 「あぁぁ?、やっぱり仕事しないようになると病気も進むのがはやくなるんですかね?」
先 「そうですね。お仕事をして 『ありがとう』 と感謝されたり
自分でお金を稼いだりすることは、とても大切な事ですからね」
父 「正直、仕事をしたくないって気持ちが強いんですけど
やらなくなれば出来なくなりそうな気がするので、自分の為にと思ってしています」
先 「よく頑張られておられますね」
私 「頭がビリビリした感じがするっていうのは、この病気のせいなんでしょうか?」
先 「そうだと思いますね。患者さんの中には頭痛をうったえたり
頭の中がモヤモヤするとおっしゃたりする方もいます」
私 「それと最近、物忘れではなく、実際にはなかった出来事なのに
父の頭の中では、起こった出来事になっているという事があったんですけど・・・」
父 「今でもお父さん、頭の中で鮮明に覚えてるんやけどな?」
私 「内容は、たいした事ではないんですけど
去年の12月に、Kさんというお客さんが来たか来てないかという話で
実際には、その人は来ていないんですが
父の記憶の中では、今でも来たことになっているんです」
先 「記憶の錯誤ですね。人間の記憶っていうのは、案外あてにならないもので
私達でも、気づかないうちに、過去の記憶の内容を変化させてしまったり
しているものなんですよ。これは誰でもよくあることですよ。
ご本人は、病気の事をよく自覚できていますので、
訂正しても、間違いを頑固に認めないということは少ないと思いますし
口論になりにくいんじゃないですか?」
私 「・・・・・・・・・・」
先 「まぁ、特に何かに影響がない場合は、いちいち訂正しなくていいんじゃないですかね
訂正するにも、本人はそう思っているのだから
1から説明して納得してもらうのに、時間がかかりますしね」
父が 『今でも鮮明に覚えてる』 と言ったのが
後で冷静に考えてみると、少し怖くなりました。
今は父は、自分の記憶違いかもしれないと思い、分かってくれているけど
もし・・・そう思わなかった時は・・・どうなるんだろうか。
その後、先生と父の雑談が少しの間、続きました。
前日にNHKスペシャルの認知症の番組をみていた父は
父 「昨日NHKの番組で、この病気のことを放送していたんですけど
私は、先生に診てもらうことができて運がいいです
お薬も、まだアルツハイマーだとハッキリわかっていないうちから
飲ませてもらって・・・
そのおかげで、今もこうしていれてるんだなぁって思って感謝しています
先 「いえいえ、私は何もしていないですよ
一味さんが頑張っておられるからですよ」
父 「テレビでやってましたけど、認知症の専門のお医者さんって少ないんですね
先生も、専門でやっておられるんですか?」
先 「ええ、もう長くやっていますからね」
いつもは、先生が父に対して、何か喜びそうなセリフを言うのだが
この日は、いつものパターンと反対で、父が先生を褒めていました。(笑)
そして、褒められた先生も、ニッコリして嬉しそうでした。
↓応援ポチっとよろしくおねがいします↓
私 「明日は、朝の10時30分頃に家を出るようにしたら、ちょうどええよ」
父 「うん、そうやな」
と話をしていたのですが、やはり20分程遅れてきました。
(慌てるよりはいいので、何も言わなかったのですが)
しかし、父は気になるようで
父 「この間も、遅れたから今日はどうしておそくなっているのか
考えてみたんやけど、どうも、念入りに何回も確認してしまってるみたいや」
私 「なるほど、前は1回だったところを今は2回、3回って確認してしまうんやな」
父 「うん、それとやっぱり動作も遅くなってるわ」
父がこんな風に考えるのは、病院の先生が言うように
自分の病気の事を、ある程度、理解できているからなのかなと思えてきました。
遅れてしまったことを気にして、その理由を考えようとしている父はエライです。
病院では、まず
父 「先生また、お時間あるときに読んでみてください」
と言って、最近の出来事などをメモした紙を先生に渡しました。
そしてその後、気になる事、報告したい事を先生に話し始めました。
(その1)
頭の中で、ビリビリと電流が波打って流れているような感じで
弱い痛みが、ずっと続いている
去年の夏頃から症状があったけど、以前からの耳鳴りがひどいので
あまり気にしてなかった
(その2)
最近、1人で店番をしている時などは、いつお客さんが来るかとビクビクしている
お客さんが来なければいいのにという気持ちが沸くこともある
新しいお客さんや、しばらく対応していないお客さんなどは怖くて避けてしまう
(お客さんに少し待ってもらってでも息子に任せる)
先 「お仕事をするのが、色々と大変になってきているんですね」
父 「はい、でも自分の為にやらなきゃいけないとも思うので・・・」
先 「自信がなくなってきているんですね
でも一味さんは、まだお仕事ができるからいいですよ!」
父 「あぁぁ?、やっぱり仕事しないようになると病気も進むのがはやくなるんですかね?」
先 「そうですね。お仕事をして 『ありがとう』 と感謝されたり
自分でお金を稼いだりすることは、とても大切な事ですからね」
父 「正直、仕事をしたくないって気持ちが強いんですけど
やらなくなれば出来なくなりそうな気がするので、自分の為にと思ってしています」
先 「よく頑張られておられますね」
私 「頭がビリビリした感じがするっていうのは、この病気のせいなんでしょうか?」
先 「そうだと思いますね。患者さんの中には頭痛をうったえたり
頭の中がモヤモヤするとおっしゃたりする方もいます」
私 「それと最近、物忘れではなく、実際にはなかった出来事なのに
父の頭の中では、起こった出来事になっているという事があったんですけど・・・」
父 「今でもお父さん、頭の中で鮮明に覚えてるんやけどな?」
私 「内容は、たいした事ではないんですけど
去年の12月に、Kさんというお客さんが来たか来てないかという話で
実際には、その人は来ていないんですが
父の記憶の中では、今でも来たことになっているんです」
先 「記憶の錯誤ですね。人間の記憶っていうのは、案外あてにならないもので
私達でも、気づかないうちに、過去の記憶の内容を変化させてしまったり
しているものなんですよ。これは誰でもよくあることですよ。
ご本人は、病気の事をよく自覚できていますので、
訂正しても、間違いを頑固に認めないということは少ないと思いますし
口論になりにくいんじゃないですか?」
私 「・・・・・・・・・・」
先 「まぁ、特に何かに影響がない場合は、いちいち訂正しなくていいんじゃないですかね
訂正するにも、本人はそう思っているのだから
1から説明して納得してもらうのに、時間がかかりますしね」
父が 『今でも鮮明に覚えてる』 と言ったのが
後で冷静に考えてみると、少し怖くなりました。
今は父は、自分の記憶違いかもしれないと思い、分かってくれているけど
もし・・・そう思わなかった時は・・・どうなるんだろうか。
その後、先生と父の雑談が少しの間、続きました。
前日にNHKスペシャルの認知症の番組をみていた父は
父 「昨日NHKの番組で、この病気のことを放送していたんですけど
私は、先生に診てもらうことができて運がいいです
お薬も、まだアルツハイマーだとハッキリわかっていないうちから
飲ませてもらって・・・
そのおかげで、今もこうしていれてるんだなぁって思って感謝しています
先 「いえいえ、私は何もしていないですよ
一味さんが頑張っておられるからですよ」
父 「テレビでやってましたけど、認知症の専門のお医者さんって少ないんですね
先生も、専門でやっておられるんですか?」
先 「ええ、もう長くやっていますからね」
いつもは、先生が父に対して、何か喜びそうなセリフを言うのだが
この日は、いつものパターンと反対で、父が先生を褒めていました。(笑)
そして、褒められた先生も、ニッコリして嬉しそうでした。
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COMMENT
若年性か否かは関係なく、認知症という病気は、急に悪くなるわけではありません
でも、今までこの仕事を通して私が出会った方々は、すでに深い認知症になっていたので、何を感じながらそうなって行ったのかを窺い知ることは出来ませんでした
クリスティーン ボーデンさんの「私は誰になっていくの?」という本を読んだ時、自らの口で、不安に苦しみながら記憶を失っていく怖さを語っていることに、私は衝撃を受けました
一味さんもまた同じように、ご自分の言葉で今の状態を説明されています
仕事も続けて、ブログも書いて、娘さんの心配をし、金魚も飼って・・・
一味さんは、今までと変わらない日常生活を送ることが、何よりの薬だと教えてくれています
本当に本当にすごいことです
一味さん、ヒカルさん、これからも色んなことを教えて下さいね
宜しくお願いします
本当にすごいことだと思います
でも、今までこの仕事を通して私が出会った方々は、すでに深い認知症になっていたので、何を感じながらそうなって行ったのかを窺い知ることは出来ませんでした
クリスティーン ボーデンさんの「私は誰になっていくの?」という本を読んだ時、自らの口で、不安に苦しみながら記憶を失っていく怖さを語っていることに、私は衝撃を受けました
一味さんもまた同じように、ご自分の言葉で今の状態を説明されています
仕事も続けて、ブログも書いて、娘さんの心配をし、金魚も飼って・・・
一味さんは、今までと変わらない日常生活を送ることが、何よりの薬だと教えてくれています
本当に本当にすごいことです
一味さん、ヒカルさん、これからも色んなことを教えて下さいね
宜しくお願いします
本当にすごいことだと思います
こんばんわ、秋雨さん。
元々、ブログを始めたのが父の頭の運動になればという
単純な動機だったのですが
こんなブログが、秋雨さんの何かのお役に立ててるのでしたら、嬉しいです。
秋雨さんのブログやコメントを読んでいると
すごく勉強熱心で、積極的に行動されていて感心します。
読んでいると、なんだか心強くなってきます!
お体ムリなさらずに、お仕事頑張ってくださいね。^^
コメントありがとうございました。
元々、ブログを始めたのが父の頭の運動になればという
単純な動機だったのですが
こんなブログが、秋雨さんの何かのお役に立ててるのでしたら、嬉しいです。
秋雨さんのブログやコメントを読んでいると
すごく勉強熱心で、積極的に行動されていて感心します。
読んでいると、なんだか心強くなってきます!
お体ムリなさらずに、お仕事頑張ってくださいね。^^
コメントありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございます
勉強熱心かどうかは「?」ですが、仲間には本当に恵まれています
そして不思議なくらい、何か導かれるように色々な人とつながって行ってるのです
ネットもまた然り!
どんどん輪が広がり、つながってけーと思っています(笑)
勉強熱心かどうかは「?」ですが、仲間には本当に恵まれています
そして不思議なくらい、何か導かれるように色々な人とつながって行ってるのです
ネットもまた然り!
どんどん輪が広がり、つながってけーと思っています(笑)